コンサートでビーム状の光を放ったり、プレゼンの際にポインターとして使用したり、パソコンのマウスに使用されているあのレーザーの光が、種類によっては医療の世界で使用されることもあります。
ここでは、レーザーがどのように獣医療で使用されるのかを紹介します。
当院では「半導体レーザー」という種類のレーザーを使用しています。
獣医療で使用されるレーザーには、他にも「YAGレーザー」や「CO2レーザー」などがありますが、「半導体レーザー」は組織を切開することや蒸散させることが得意です。
なぜレーザーを用いると痛みや組織へのダメージが少ないのでしょう。
それは、レーザーにより神経末端を閉鎖することで、痛みを軽減し発痛物質の放出を減らすことが出来るからです。また、レーザーによりリンパ管を閉鎖することで抗炎症作用が起こり術後の炎症(腫れ、痛み、熱感)が軽減されます。
レーザーの熱凝固作用を利用して、手術の際に糸を用いずに血管をはさむことで止血が可能です。からだの中にできるだけ異物を残さずに手術を行なうことができます。
レーザーの光を体表のできものに照射して、取り除いたり小さくすることが可能です。局所麻酔で出来る場合もあるので、全身麻酔をかけるには危険を伴う高齢の動物に対する新たな治療法のひとつになります。
椎間板ヘルニアや関節炎などにレーザーの光を当てて、痛みや炎症を和らげることが可能です。
レーザーの光を当てることで、血行が良くなり傷の治りを早めます。また、痛みを和らげることもできます。
腫瘍に対してレーザーでの温熱療法が現在は主に放射線療法の補助として行われていますが、今後単独での効果が期待されています。
その他にも逆まつ毛の脱毛によって角膜炎や結膜炎を防ぐ処置などが可能です。
このようにレーザーは外傷から腫瘍まで、動物たちのためにさまざまな役に立ってくれています。
当院では動物たちの負担をできるだけ少なくできるように取り組んでいきます。
手術に際してもご希望や疑問に思うことなどあればどんなことでもご相談下さい。